ママー。NetBSDのRAMDISK Kernelの/dev/consoleはどこから来るの?という話

この記事は
NetBSD Advent Calendar 2016 - Qiita 24日目の記事です。
すいません、ておくれました。26日目ということにしてください...

N君がある日RS/6000にNetBSD/ofppcをインストールしようとすると奇妙な事が起こりました。

/dev/consoleが無いというエラーが出てだんまりしています...

調べてみたところ、エラーを出力しているのは
https://nxr.netbsd.org/xref/src/sys/kern/init_main.c#870
のようです。

どういうことなのでしょう?

@tsutsuiiさんにアドバイスを頂きました!

つまりユーザーランド側から/sbin/initが/dev/consoleを開いて文字の読み書きを始めようにも、/dev/consoleが無いのでカーネルが警告を出しているわけですね。
そこで疑問になるのが、RAMDISK Kernelの/dev/consoleはどうやって作っているのだろうか?という事です。

これについても@tsutsuiiさんにアドバイスを頂きました。

なるほど!/dev/consoleが出来るパターンには2パターンあるようです。

というわけで、早速調べてみました!

例えば、NetBSD/i386をCDからbootさせて、/devを見てみると...

とMAKEDEVスクリプトがあります。

また、iso-imageをマウントして中身を見てみると、MAKEDEVスクリプトがあります。

では、別のポートとしてNetBSD/alphaをCDからbootさせて、/devを見てみると...

今度はMAKEDEVスクリプトありません

つまり、

NetBSD/i386は"init(8) が自力で /dev 以下を mfs でマウントして /dev/console その他を自分で作る"パターン
NetBSD/alphaは"makefs(8) -Fのspec ファイルで定義されたデバイスファイルをファイルシステムイメージとして持っている"パターン

になるわけですね。

/sbin/initでMAKEDEVスクリプトから/dev/consoleを作っているところは
https://nxr.netbsd.org/xref/src/sbin/init/init.c?r=1.107#1647
です。

試しに下記のmakefileをいじって、-DMFS_DEV_IF_NO_CONSOLEを外してやれば、
Cross Reference: /src/sbin/init/Makefile
/sbin/initが/dev/consoleを作ることが出来ないので、下記の様になるわけです。

では、このMAKEDEVスクリプトはどこから来ているのでしょうか?

試しに
Cross Reference: /src/etc/MAKEDEV.tmpl

mkdev		console c %cons_chr% 0	600

をコメントしてみると、

のように
warning : no /dev/console
のエラーが出ています。

また、iso-imageをマウントしてMAKEDEVの中身を見てみると、

mkdev		console c %cons_chr% 0	600

がコメントしてあります。

(右枠がソース、左枠がiso-imageのMAKEDEV)

また、NetBSD/alphaも同じように
warning : no /dev/console
のエラーが出ています。

つまり、
"init(8) が自力で /dev 以下を mfs でマウントして /dev/console その他を自分で作る"パターンでも
"makefs(8) -Fのspec ファイルで定義されたデバイスファイルをファイルシステムイメージとして持っている"パターンでも
元ネタは
/src/etc/MAKEDEV.tmpl
だということがわかります。

では、どこで/dev/MAKEDEVスクリプトを作っているのかというと、
NetBSD/i386の場合は、
Cross Reference: /src/distrib/common/Makefile.makedev
になります。

NetBSD/alphaの場合は、/dev/以下をどこで作っているのかというと
Cross Reference: /src/distrib/common/Makefile.makedev
になります。

NetBSD/alphaの場合、
Cross Reference: /src/distrib/alpha/instkernel/ramdisk/Makefile

MAKEDEVTARGETS=	minimal


Cross Reference: /src/etc/etc.alpha/MAKEDEV.conf
で定義されていて、

makedev std bpf

のstdが
Cross Reference: /src/etc/MAKEDEV.tmpl
MAKEDEV.tmplのstdで定義されています。

したがって、NetBSD/ofppcの場合、下記のようなパッチを作れば...
gist.github.com
ほら

warning : no /dev/consoleが出なくなりました〜

でもこの記事は片手落ちです。
続きはお正月休みにでも書こうと思います。